Windows7をインストールしたノートPCを「Windows 10」へアップグレードすると同時に、ノートPCのHDDをSSDに交換することにした。
条件としては、HDDにある回復パーティション(リカバリー領域)もSSDにクローンすること。
今回のノートPCは2011年ごろに購入したが、すでにリカバリーディスクを紛失していた。
SSDへ換装後、システムを初期化した上で、Windows10にアップグレードしたいし、万が一Windows7に戻したいときのためにも回復パーティションは保険として残しておきたい。
使ったパソコンはMSI FX600。2010年8月に発売された。
第1世代Core i5 460M、4GB RAM、500GB HDD、GeForce GT 325Mなどを搭載する。
OSはWindows 7 Home Premium 64bit。
交換用のSSDはSanDisk SSD Plus 240GB「SDSSDA-240G-J25C」を用意した。
大まかな手順としては、
- HDD内の整理
- HDDをSSDにクローン(複製)する
- HDDの取り外し・SSDの取り付け
- クローンからリカバリー(工場出荷状態に初期化)
- Windows10にアップグレード
用視したのは、
- ノートPC
- SSD
- SSDをへクローンするためのUSB接続2.5インチ外付けケースなど
- クローンソフト(後述のEaseUS Todo Backup Free)
参考になったのは次のサイト。
- ノートPCのHDDをSSDにクローン、複製したリカバリー領域を使って初期化してみた | 自作DIYソーラーと太陽光発電で売電・節約・エコ人生
- HP Pavilion 500 、SSDへ換装した感想 - 酒とサッカーと・・・
SANDISKでは無償のSSD管理ソフト「SSD Dashboard」があり、そこから無料で「Apricorn EZ Gig」を利用できる。しかし、今回の環境ではなぜか起動できず。仕方なく他の無料ソフト「EaseUS Todo Backup Free」を使うことにした。結果は問題なく目的を達成。使いやすいソフトだ。
1.HDD内の整理
不要なファイルを削除するなどしておく。Officeなども一度ここでアンインストールしておいた。
ついでに、セキュリティソフトもクローン前やアップグレード前にアンインストールしておくとトラブルがないかもしれない。
上記にある「ESET AV Remover」はESET以外の他社製アンチウィルスソフトも削除できる。
2.HDDをSSDにクローンする
- HDDからノートPCを起動し、「EaseUS Todo Backup Free」をダウンロード・インストールする
- SSDに外付けケースなどを装着し、ノートPCのUSBポートに接続する
- EaseUS Todo Backup Freeを起動し、SSDにクローンを作成する
SSDを初めてPCに接続する際フォーマットする必要がある。
コンピュータの管理からディスクの初期化を行う。MBRかGPTかでフォーマットを決定する必要があるが、UEFIでなく通常のBIOSの場合はMBRを選択する。最新のパソコン以外はMBRのはず。今回行ったノートPCは2011年購入のものなのでMBRでフォーマットした。
詳しくは次のサイトが参考になる。
クローンする際は、「SSDに最適化」をチェックする。HDDとSSDの容量が同じかそれ以上なら「セクタバイセクタクローン」もチェックする。今回は500GB HDDから240GB SSDなので後者のチェックは外しておく。
この後リカバリー領域からシステムを復元するため、リカバリー領域(回復パーティション)も一緒にクローンする。
また、EaseUS Todo Backup Freeは各パーティションサイズをマウスで簡単に変更できる。リカバリー領域やシステムで予約済パーティションはなるべく小さくしておくと、より多くの容量を確保できるはず。
今回、HDDのファイルは約100GBで、USB2.0に接続したSSDにクローンした時間は約2.5時間。結構時間がかかった。
3.HDDからSSDに交換
ノートPCの背面を開き、HDDを取り外しSSDを取り付ける。
2.5インチHDDの厚さは9.5㎜、SSDは9.5㎜のほか7㎜サイズもある。SSDの付属品にスペーサーがあると思うのでそれをあらかじめ取り付けておく。
取り付け終えたらノートPCを通常通り起動する。クローンが成功していれば何の問題もなく起動できるはず。OSが起動後ドライバーが自動的にインストールされた。
クローンから無事起動でき、中身や動作に問題ないことを確認した。
なお、SSD換装後、ドライブの起動順位が変更される可能性がある。今回、SSDの上位にネットワークが来てしまい初回に起動できなかった。ブート順位をSSDを先頭にすることで解決。
4.クローンからリカバリー(工場出荷状態に初期化)
現状で問題なければ初期化する必要はないが、回復パーティションが正常にクローンできているか検証の意味も含め実行した。
ノートPCを再起動し、リカバリー領域から起動する。あとは指示に従いシステムを初期化し、購入時の状態に復元させれば完了。
ここまで無事完了できれば、Windows10にアップグレード後も(したいと思えば)Windows7に戻すことができる。
5.Windows10にアップグレード
今回のノートPCはWindows 7 Home 64bit。これをWindows 10 Homeにアップグレードする。
Windows7は最低でもSP1がインストール済みであることが条件。
Windows Updateを行いSP1を適用した。
そのあとは、例のWindows10のマーク(タスクバー右下)からWindows10にアップグレードした。
詳しくは公式サイトを。
Windows10へアップグレード完了後
アップグレード後、インターネットセキュリティソフトやオフィスをインストール。
ドライバー類で唯一不具合があったのはタッチパネルのユーティリティ。これは再インストールすることで解決。
その他、Wi-Fi、Ethernet、Bluetooth、内部&外部GPU、MSI謹製ユーティリティなども問題なく動作した。
Windows7からWindows10へアップグレードが完了すれば、いざWindows7に戻したとしても再びWindows10にすることができる。あるいはWindows10をクリーンインストールも可能。
なぜかといえば、Windows10アップグレードによって「デジタル登録情報」が登録されるから。
「Windows 7 または Windows 8.1 の正規品を実行している対象デバイスから無償で Windows 10 にアップグレードした」場合、ライセンス認証(アクティベーション)は「デジタル登録情報」となる。ハードウェアを大きく変更しない限り、Windows10の新規インストールもプロダクトキーを入力不要で行える。
デジタル登録情報は、Windows 10 における新しいライセンス認証方式で、プロダクト キーを入力する必要がありません。
無償アップグレード キャンペーンを利用して Windows 10 にアップグレードした後に、マザーボードの交換など、デバイスに大きなハードウェアの変更があった場合、Windows 10 のライセンス認証は無効になっている可能性があります。お使いのデバイスでのライセンス認証方法については、カスタマー サポートにお問い合わせください。
Windows 10に無償アップグレードしたPCを、「1年後以降に再インストールすることはできるか?」というのも気になるところ。回答は、再インストールは可能とのこと。元のOSを入れ替えてアップグレードではなく、直接インストールすることもできる。ただし、インストールメディアはこの1年のうちに作成し、用意しておく必要がある。1年後にはダウンロードできなくなるようだ。
ASCII.jp:「Windows 10 無償アップデート」に絡むライセンスの扱いを調査! (1/2)|ズバッと解決! Windows 10探偵団
というわけで、6年ほど前のノートPCをSSDに換装し、Windows10にアップグレードしてみた。
HDDからSSDに交換することで起動時間や処理速度は大いに高速化、体感上でもそれを十二分に実感できた。
Windows10になってメモリー使用量も少なくなったようで、4GB RAMでも実用上は問題なさそう。
今後数年は現役で使えるだろう。