iTunesで管理していた自分のローカルデータをApple Musicの「iCloudミュージックライブラリ」にアップロードした後、ローカルデータの全くない別のパソコンで自分のミュージックライブラリから任意の曲をダウンロードして、DRMが付与されるかどうかを実験してみました。
なお、iTunes Matchは未契約で、Apple Musicだけを契約(お試し期間)しています。
iTunes Matchも含めたチェック方法はiMoreに書かれているのでそちらもご覧ください。
最初に
元のファイルはApple Musicによって何も変更されません(勝手に置き換わることはない)。元のファイルを削除したりしなければDRMの問題はありません。詳細はこちらの記事をご覧ください。
結論
- DRMが付与されるのは、曲のプロパティにある「iCloudの状況:Apple Music」の曲であり、「FairPlayのバージョン」という項目のある曲でした。
- 「iCloudの状況:Apple Music」となる曲は、CDやiTunes以外で購入した曲で、Apple Musicのカタログに存在する曲が該当しました。
- DRMの付与されない曲は、プロパティが「iCloudの状況:アップロード済み」の曲であり、Apple Musicのカタログに存在しない曲が該当しました。
- また、Apple MusicのカタログにあるiTunesで購入した曲は「iCloudの状況:購入した項目」となり、DRMは付与されませんでした。
たとえばビートルズやプリンスなどApple Musicのラインナップにない曲をApple MusicのiCloudミュージックライブラリにアップロードしてもDRMは付きませんでした。
一方、自分のCDからリッピングしたOasisの曲はApple Musicのラインナップにも存在するため、ダウンロードしたファイルにDRMが付与されていました。
今回自分の所有する音楽だけを試しましたが、所有しない曲はすべて「iCloudの状況:Apple Music」となりDRMが付くはずです(1曲だけ試してそうなりました)。
以下、試した環境と結果とをご覧ください。
下の写真は、iCloudミュージックライブラリからダウンロードした自分の曲でDRM付きの曲の例。
Apple Music(iTunes/ミュージックアプリが開きます)
試した環境
ユーザー
- Apple Music:契約(お試し期間)
- iTunes Match:未契約
PC1:WindowsのiTunes
- ローカルに1万数千曲を保管
- Apple Music・iCloudミュージックライブラリを有効にする
- ローカルファイルの照合済み
PC2:MacBookのiTunes
- ローカルに音楽ファイルの全くない状態
- Apple Music・iCloudミュージックライブラリを有効にする
- マイミュージックから自分の所有する任意の曲をダウンロード
ダウンロードしてみた曲
(ローカルの形式 → ダウンロードされた形式)
DRMが付いた曲の一例
- Norah Jones:Come Away With Me(CD) ALAC 793kbps → Apple Music AAC 256kbps
- Oasis:(What's The Story) Morning Glory?(CD) AAC 128kbps → AM AAC 256kbps
- Paul Weller:Sonik Kicks(CD) WAV 1411kbps → AM AAC 256kbps
DRMが付かなかった曲の一例
- The Beatles:Let It Be... Naked(CD) AAC 128kbps → AAC 128kbps
- Paul Weller:Birthday(iTunes以外で購入) MP3 320kbps → MP3 320kbps
- Prince:Prince(CD) AAC 320kbps → AAC 320kbps
- ザ・ローリング・ストーンズ:Sweet Summer Sun, Live in Hyde Park 2013 (Live) - Single(iTunes購入) AAC 256kbps → AAC 256kbps
実験結果の一覧表
媒体 | 種類 | iCloudの状況 | Apple Musicカタログ | 形式・ビットレート | ダウンロード後のDRM |
CD・iTunes以外購入 | AAC・WAV・MP3等 | アップロード済み | なし | オリジナルのまま | なし |
iTunes購入 | 購入したAAC | 購入した項目 | あり | オリジナルのまま | なし |
CD・iTunes以外購入 | AAC・WAV・MP3等 | Apple Music | あり | 変換 | あり |
ダウンロードした曲のプロパティ
iCloudの状況とDRMの有無
- アップロード済み:無
- 購入した項目:無
- Apple Music:有
iCloudの状況と形式とビットレート
- アップロード済み:オリジナルのまま
- 購入した項目:オリジナルのまま
- Apple Music:AAC 256kbps
iCloudの状況とダウンロードした曲の保存場所
- アップロード済み:「Music」フォルダ
- 購入した項目:「Music」フォルダ
- Apple Music:「Apple Music」フォルダ
ロスレスファイルでDRMが付いた例
Norah Jones:Come Away With Me(CDからAppleロスレスにしたもの)
1枚目:ローカルファイルのオリジナルのプロパティ。
この時点でiCloudの状況がApple Musicに。
2枚目:別デバイスで確認したダウンロード前のプロパティ。
まだビットレートはオリジナルと同じ793kbps。
3枚目:別デバイスで確認したダウンロード後のプロパティ。
Apple Music AAC 256kbpsとなり、DRMが付与。
自分のCDの曲ですが、Apple Musicのカタログにあると、別デバイスへダウンロードする際DRMが付く(DRM付きのバージョンがダウンロードされる)ことがわかりました。
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考察
- DRMの付かなかった曲は、iCloudの状況「アップロード済み」「購入した項目」であり「Music」フォルダに保存された曲
- DRMの付いた曲は、iCloudの状況「Apple Music」であり、「Apple Music」フォルダに保存された曲
- iCloudの状況「アップロード済み」は、ビートルズやプリンスなど、現在Apple Musicで提供されていない曲
- iCloudの状況「購入した項目」は、iTunesで購入した曲
- iCloudの状況「Apple Music」は、Apple Musicで検索すると見つかる曲(ただしiTunesで購入した曲以外)
- DRMの付かなかった曲は、ビートルズやプリンスなど、現在Apple Musicで提供されていない曲とiTunesで購入した曲
- DRMの付いた曲は、Apple Musicで検索すると見つかる曲(ただしiTunesで購入した曲以外)
分かったこと
「iCloudの状況」を確認することで、DRM付きかどうか判別できました。
曲のプロパティにある「iCloudの状況」が「Apple Music」の曲は、すべて「FairPlayのバージョン」という項目があり、DRMが付きました。
以上、
自分の持っている曲を十数曲試した結果です。
すべての曲を試したわけではないので個々の曲によってそれぞれの結果は変わってくることはあり得ます。
記事更新:ロスレスファイルでDRMが付いた例を追記