iPod touchは今年3年ぶりに新モデルが発売されました。
iPod touch第5世代が出たのは2012年です。
Ars Technicaは、新型iPod touch第6世代、第5世代、iPhone 6、iPhone 6 Plus、iPhone 5s/5c/5(ベンチによってはGALAXY S5やNexus5なども)のベンチマークスコアをグラフにまとめています。
iPod touchのプロセッサはA5からA8になりました(Ars Technicaによれば4世代の価値)。
iPod touch第6世代と第5世代とは全くの別物です。ベンチマーク結果を見ると、両製品には文字通り比べられないほどの開きがあります。
一方、iPhone 6と比べてはどうでしょうか。今回のテストではiPod touchサイズのボディでiPhone6のパフォーマンスをまだ得てはいないようだとArs Technicaは見ています。
以下、
- iPod touch第6世代と第5世代とではCPU・GPUにどのくらい違いがあるか
- iPod touch第6世代はiPhone 6/6 Plusにどのくらい迫っているか
- iPod touch第6世代とiPhone 5sとではどうか
といったことが各種ベンチマーク結果から読み取れると思います。
今回、CPUベンチマークとしてGeekBench 3(シングルコア・マルチコア)、SunSpider 1.0.2、Google Octane V2、Kraken 1.1、GPUベンチマークとしてGFXBench GL 3(ONScreen/OFFScreen)、GFXBench Metal(ONScreen/OFFScreen)、3DMark Ice Storm Unlimitedが用いられています。
CPUのベンチマーク
iPod touch第6世代のA8は約1.1GHzで、iPhone 6の約1.4GHzのA8よりもおよそ27%遅く動作します。
iPhone6が発売されたとき、AppleはA8がiPhone 5sのA7よりも約25%高速だと説明しました。そこから、iPod touch第6世代のA8はiPhone 5sのA7と同じくらいではないかと推測できます。
テストの結果、周波数の高い1.3GHzのA7が1.1GHzのA8を上回ることもあり、アーキテクチャの新しさからA8がA7に勝ることもありました。
Ars Technicaの行った標準的なベンチマークでは、iPod touch第6世代のA8とiPhone 5sのA7がほぼ同じパフォーマンスを示しています。
一方、iPod touch第6世代と第5世代との比較では、本当に比較になりません。
ベンチマークの通り、A8はA5よりも約5倍高速です。Geekbenchではその差は更に大きいことが見てとれます。Cryptographicベンチマークでは特に驚くべきであり、SHA1テストではA8はA5よりも10倍以上も高速でした。AESテストでは53倍もA8は上回りました。
これはiPod touch第6世代のA8が64bit CPUであることが大きな理由です。また第5世代の2倍となる1GB RAMを搭載したことも大きく影響しています。
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GPUのベンチマーク
A8のGPUはA7のGPUよりも大きな改善があり、iPod touchは他のiPhone(6/6 Plus)よりも小さく、低い解像度を備えていることも影響しています。
A8のGPUはA5のGPUよりも、テストによっては10倍も高速です。A5は満足にベンチマークを走らせることができないテストもありました。
GFXBenchのMetalバージョンでiPod touch第6世代のA8がiPhone 5sのA7やiPhone 6のA8に匹敵するかテストした結果、CPUほど劇的な違いはなかったようです。
実際の解像度の差にとらわれないオフスクリーンテストではiPhone6とiPod touch第6世代とでは基本的に同じスコアでした。ほとんどのテストでA7はA8のおよそ3分の2の速度です。
一方、オンスクリーンテストでは各デバイスの画面解像度が考慮されます。結果、ManhattanテストではiPod touch第6世代はiPhone 6よりも33%高速でした。
まとめ
CPUテストではクロックの低いiPod touch第6世代よりもiPhoneが良いスコアです。しかしピュアグラフィックスにおいて両者は同じ位置にあります。もし携帯電話通信を必要ないなら、iPod touch第5世代は理想的なモバイルゲームデバイスだとArs Technicaは結論付けています。
結果をまとめると
- iPod touch第6世代と第5世代とではCPU・GPUともに圧倒的な差が生じた
- iPod touch第6世代はiPhone 6/6 Plusにかなり迫っているもののまだ及ばない
- iPod touch第6世代とiPhone 5sとでは、テストによって設計の新しいA8搭載のiPod touch第6世代が勝ることも、クロックの高いA7搭載の5sが勝ることともあった。今回のテストでは全体的にほぼ同じパフォーマンスを示した
といえると思います。
なお、Ars Technicaは次回カメラやバッテリー駆動時間を含む、より完全なレビューを行うと告知しています。
Source:iPod Touch performance preview: 500% better CPU, 900% faster graphics | Ars Technica