みこぼね

みのつまった、みをのりだすような、みもふたもない、みになること

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僕が網膜剥離になったとき(2)

私が網膜剥離(もうまくはくり)になった前後のことを書き残しておく。

今回は目の状態がおかしいと感じた翌日。シルバーウィーク初日の土曜日。
前回はこちら

診断・手術当日


朝起きて朝食を食べ、昨晩と同じようにパソコンの画面に向かうと、斑点がさらに1つ増えていることがわかった。これで合計3つだ。明らかにおかしい。絶対に旅行中に病院に行かなくてはならない、強くと感じた。ここは直感を信じるべきだ。

予定通りの時間に荷物を持って家を出て、待ち合わせの駅へ向かった。その途中で目的地の駅の近くに眼科はあるか、診療時間は何時か、そもそも土曜日は診療しているのかなどを調べておいた。幸いなことに土曜の夕方まで診察を行っている眼科が見つかった。目的地の駅のすぐ近くだ。今日は連休の初日だがカレンダー通り土曜日の診療を行っているようだ。

目的地へ向かう特急乗り場で家族と待ち合わせ、目の状態を伝えた。そして、到着後すぐに病院に行く必要があることを告げた。家族は少し驚いた様子だったが、意外にも心配していないように見えた。私が昨日思ったように、取り越し苦労に終わるとも思ったのかもしれない。


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ここから目的地までは特急で約2時間。その間に目的地にある眼科へ電話し、あらかじめ症状を伝えておくことにした。電車の到着時刻から午前中の診療時間までに何とか病院に辿りつくことができそうだったが、それを眼科に告げると午後の診療に来てほしいと言われた。検査と診断で2時間ほどかかるので、午前中の診療時間内には終わらないという。本当なら一刻も早く医師に診せるべきだが、そういわれては仕方ない。土曜日に診断してくれるだけでも幸運だと思うほかなかった。

目的地に到着。午後の診療までは2時間以上あったので、周辺を観光することにした。駅近くの案内所に立ち寄り、観光場所やお昼を食べられるところを聞いてみる。近くに道の駅があり、桟橋から海を眺めることもできるという。海を見ながら15分ほど歩いて向かった。日差しが強く思ったよりも暑い。目の前の黒いしみはそのままだったが、日差しのせいかさらにはっきりと見える。目に衝撃を与えないようにゆっくりと歩いた。

道の駅に到着し、2階にあるレストランで早々に昼食をとった。旬の魚をメインにした日替わりメニューが並ぶが、いくつかはすでに売り切れていた。結構人気があるようだ。その中からサンマとカラスミのパスタを注文する。結構食べ応えがありおいしかったはずだが、正直なところ味は覚えていない。目のことが頭にあり、集中して食べることができなかったのだろう。食べ終えて、診察時間まではまだ時間があったので、その場で少し居眠りをした。朝6時に起きて6時間。すでにかなり疲れていた。

どのくらい寝ただろうか、椅子の上だから15分くらいだろうか。目が覚めてコップの水を飲み、一息ついてから店を出た。まだ時間はあったので、1階にあるショップに入った。お土産のお菓子や地元の野菜が並んでいる。地元産の夏ミカンの皮を使った砂糖漬けを家族が買った。奥にケーキショップがあり、たくさんケーキが並んでいる。かなりおいしそうだ。私は甘いものに目がない。どうせならパスタの代わりにこのケーキを食べてもよかったとも感じた。店を出て、隣にある小さな水族館に入った。薄暗い室内の所々に光が差し、色とりどりの魚が泳いでいる。写真やビデオを取りながら一通り巡って外へ出た。

外へ出て日差しを浴びた途端、景色が一変していることに気付いた。目の前の斑点が数え切れないほど多くなっていた。歩いて道の駅に着き昼ごはんを食べるまではそうではなかったはずだ。一眠りしていている間に一気に増えたのか、あるいは電車で目的地に着いたときにはすでに増えていたのか、今となってはわからない。とにかく大至急病院へ行くべきだ。

午後の診察時間まではまだ少し時間があったが、タクシーを呼び急遽病院へ向かった。


次回、その3を更新します。